広  長  舌  
     
 材質 : ヒノキ   高 : 18 cm
 2006.5.製作
 
 
インドでは細くて長い舌が優れた人物の特徴の一つになっていたと言われていること、及び菩薩のお顔の負担を少しでも少なくするため、舌の幅は諦めて長さだけを強調してみました。それでも菩薩に少し違和感を与えています。
  
 仏に備わる身体特徴に三十二相があります。その一つの「広長舌相」を取り上げてみました。仏は、口から出すと顔を覆うことができるほどに長くて広い舌を持っているから、弁舌さわやかに説教ができます。現在では広長舌を転じて「長広舌」として知られていますが、冗舌に長々としゃべり立てることに使われます。広長舌はありがたいものですが、長広舌になると迷惑な話となり、両極端の教えとして広長舌を仏像彫刻に取り上げてみました。