縁 か ら 空  
     
   材質:クス 寸法:15×15 cm
   2011.5.製作
 
  縁起・空」は、仏教の根幹をなす思想です。

起は、「これがあれば、あれもある」「これがなければ、あれもない」と言う二つの定理によって簡潔に述べられます。このように縁起は有とが論理的に結びつけられています。例えば、生まれなければ、老いることも死ぬこともないと言うことです。

は、般若心教の一節「色即是空、空即是色」に記載されているように、この世の全ての物事(色)は相互に因によって結びついており、物事は「存在している」とも言えるし「存在していない」とも言える。これこその概念です。    

また、般若経のの哲学を大成した龍樹は、思想にもとづいてを理解した。更に禅僧は、を象徴的にで表現しています。インドでは数学の(零)をとよんでいます。
なお、縁、空、零については作品『無我』でも解説しています。

 
       
  この様に「縁」と「円」、「零」、「無」、「空」などは関連してつながっていると考え、少々無理は承知で、縁はエン(円)と読み、円は丸い、丸は零であり、零は何もないから無であり、無は空である。これを図柄で「縁」→「円」→「丸」→「零」→「無」→「空」として表したものです。
「縁」から「空」の中央に弥勒菩薩を彫って、この仏教の根幹の教えを印象づけることにました。